厄除け その2

厄除けといっても「厄」自体が基本的に、目には見えない世界の働きですので、よけるには目に見えない世界の力によって働きかけることになります。

まず、「厄」そのものの主な要因は、

1,運命的な凶運・衰運の時期

2,霊的な問題からくるもの

3,環境からくるもの

4,心や言葉からくるもの

といったところでしょうか。

 

1の「運命的な凶運・衰運の時期」は、昔から言い伝えられている厄年をはじめ、占星術から割りだされる生命力が衰え、リズムが乱れる時期(天中殺、空亡など)であり、人生のバイオリズムとして誰にでもかならずやってきます。

 この時期は、なるべく新規の動きを始めない、大きな決断は避けるなど、できるだけ外向きの積極的活動は控え、内的な充実(資格の取得、勉強など)をはかることが望ましいとされています。つまり、季節でいえば冬なので、春の活動に向けて冬眠し、鋭気を養う時期です。

 そういった意味で、「成功は凶運期のありかたによる」ともいわれます。厄年の凶運期にこそ、じたばたせずに内面の足場を固め充電して、やがてくる春に備えるわけです。反対に冬であることに気づかず、あせって芽を出してしまうと、春がくる前に萎れてしまうことになります。

 人間も自然の一部ですから、自分だけの季節を知ること、それが、占星術や厄年を活用する意義でしょう。

 このような凶運・衰運の時期を転換する方法は、占星術や風水、密教にもありますが、避けるというよりも活用したほうが現実的のように思います。

 ちなみに台湾などでは、凶運期に入った時期は、すすんで寺院などへ喜捨(財物を神仏にささげること)することを厄除け法として行っているそうです。つまり、災いが起こる前に、自分から災い(財産を投げ出す)を作って事前に精算してしまうということです。

 仏教財施にも同様な意義がありますが、財施の徳を積むことで、仏さまや諸天善神のご守護をいただくことができ、諸事円満に過ごせるといわれます。

いずれにせよ、運のよくないときは、内面世界(心がまえ、反省、感謝、信仰、先祖供養など)に目を向けてみることが開運のきっかけにつながるものと思います。